猫が引っ越しでストレスを感じる理由とは?

出典:https://www.shutterstock.com
猫はとても繊細で、環境の変化が苦手な動物です。
特に引っ越しのような大きな変化は、猫にとって強いストレスの原因になります。その主な理由を見ていきましょう。
自分の縄張りが失われるから
猫にとって家は、自分の匂いが染みついた安心できる「縄張り」です。
家具や壁に体をこすりつけ、「ここは自分の場所だ」と確かめながら暮らしています。
そのため、引っ越しによって縄張りが突然なくなると、不安や警戒心を感じやすくなります。
人の動きや物音が気になるから
引っ越しの準備から当日までの騒がしい環境は、猫にとって大きなストレスです。
段ボールの山、家具の移動、業者の出入りなど、普段とは違う音やにおいに囲まれることで「何かが起きている」と感じ、警戒します。
静かな生活を好む猫にとって、慌ただしい空気は強い不安を感じさせます。
移動そのものが怖いから
多くの猫はキャリーケースや車での移動に慣れていません。揺れやエンジン音、知らない景色など、移動中の刺激は猫にとって大きな負担になります。
特にキャリーケースが「病院に行くときのもの」という記憶と結びついている場合、より強いストレスを感じやすくなります。
引っ越し前にしておきたい準備

出典:https://www.shutterstock.com
引っ越しのストレスを減らすには、事前の準備がとても大切です。
猫の性格や生活スタイルを考えながら、安心できる環境を整えていきましょう。
キャリーケースに慣れさせる
キャリーケースは、引っ越し前から部屋に置いておき、猫が自由に出入りできるようにしましょう。
お気に入りの毛布を入れたり、中でおやつをあげたりして「ここは安心できる場所」と感じさせます。自分から入ることに慣れておけば、当日のストレスを大きく減らせます。
使い慣れたアイテムを持っていく
お気に入りのベッドや毛布は、洗わずにそのまま新居へ持っていきましょう。
自分の匂いがあるだけで、猫は新しい環境でもリラックスしやすくなります。引っ越し先ですぐに使えるよう、手荷物で運ぶのがおすすめです。
新居の安全を確認する
引っ越し前に新居をチェックできる場合は、猫の目線で安全を確認しましょう。
通り抜けられそうな隙間や窓の有無を確認し、必要であれば対策グッズを設置して、脱走やケガのリスクを防ぎます。
特に引っ越し直後は、猫がパニックになって予想外の行動をとることがあるため、安全対策は欠かせません。
近くの動物病院を調べておく
環境の変化によるストレスで、猫が体調を崩してしまうこともあります。万が一に備え、新居の近くにある動物病院を事前に調べておきましょう。
診療時間や夜間対応の有無も確認しておくと、いざという時に安心です。
引っ越し当日のストレス対策

出典:https://www.shutterstock.com
引っ越し当日は、猫にとって最もストレスがかかるタイミングです。騒がしい環境や移動の不安などで混乱しやすいため、細やかな配慮が必要です。
猫を静かな部屋に隔離する
作業中は、猫をできるだけ静かな部屋に隔離し、人の出入りや物音から守ってあげましょう。
あらかじめ業者の方にも猫がいることを伝えておくと、不用意に近づかないよう配慮してもらえます。
ドアには「猫がいます」とメモを貼り、誤って開けられないようにしておくと安心です。
もし隔離できる部屋がない場合は、キャリーケースに入れて、お風呂場のような静かな場所で過ごさせるのも良いでしょう。
移動中もこまめなケアを心がける
移動の際はキャリーケースに入れ、タオルなどをかけて視界を遮ると落ち着きやすくなります。途中で休憩を挟んだり、水を飲ませたりしながら、こまめに様子をチェックしてあげましょう。
また、車内では季節を問わず熱中症に注意が必要です。キャリーケースは直射日光の当たらない、風通しの良い場所に置くようにしましょう。
引っ越し先での環境づくりのポイント

出典:https://www.shutterstock.com
新居に到着したら、猫が安心して過ごせる環境を整えることが大切です。猫のペースに合わせて、ゆっくりと新しい環境に慣れさせてあげましょう。
一部屋から慣れさせる
まずは猫が安心して過ごせる一部屋だけを使い、少しずつ新居に慣れさせるのがおすすめです。
脱走の心配がなく安全な部屋に、ベッドやトイレ、水、ごはん、おもちゃなどを置きます。準備が整ったら猫を運び入れ、キャリーケースの扉を開けてあげましょう。
家具の配置を以前と部屋に似せたり、隠れられる場所を作ってあげたりすると、より安心感が増します。
もし、警戒してキャリーケースから出てこない場合は、無理に出そうとせず、自分から出てくるのをそっと待ちます。
部屋に慣れて落ち着いてきたら、少しずつ他の部屋も探索させてあげましょう。
使い慣れたアイテムを置く
毛布やベッドなど、猫自身の匂いがついたアイテムをそのまま使うことで、新しい環境でも安心しやすくなります。
トイレの砂も少し古いものを混ぜておくと、猫が自分の匂いで安心し、スムーズに使い始めることができます。
また、家具やカーテンなども、新しいものばかりだと落ち着きません。できるだけ見慣れたものを周りに置いてあげることで、猫の不安を和らげてあげることができます。
こまめに様子をチェックする
引っ越し後は、猫の食欲やトイレの様子、行動に変化がないかをこまめに観察しましょう。
ストレスが強そうなときは無理に構わず、そっと見守ることが大切です。
落ち着かない様子が続く場合は、獣医師に相談することも検討しましょう。
猫との引っ越しにあると便利なアイテム
猫との引っ越しを安心して進めるために、用意しておくと便利なアイテムを紹介します。
ソフトキャリーケース
軽くて持ち運びやすい、布製のソフトキャリーケースです。
肌ざわりの良いふわふわのマットが付いており、安心感を与えてくれます。使わないときは折りたたんで収納できるのも嬉しいポイントです。

ドーナツ型ベッド
猫が隠れ家として安心してくつろげる、ドーナツ型のベッドです。
寝床としてだけでなく、トンネル遊びにも使え、猫の心を満たします。ファスナーで上下が取り外せるので、お手入れも簡単です。

フェロモン剤
猫の顔から分泌されるフェロモンF3類縁化合物を含む製品です。
コンセントに差し込むだけで、部屋全体にフェロモンが広がります。新しい環境への不安やストレスを柔らげ、リラックスを促す効果が期待できます。

窓ロック
猫が窓を開けてしまうのを防ぐための補助ロックです。
新しい環境でパニックになった猫が脱走してしまう事故を防ぎます。猫が過ごす部屋の窓には、事前に取り付けておくと安心です。

まとめ

出典:https://www.shutterstock.com
本記事では、猫が引っ越しで感じるストレスの原因と、その具体的な対策を紹介しました。
猫にとって引っ越しは、大きな環境の変化であり、不安を感じやすい出来事です。
しかし、事前準備から当日の対応、新居での環境づくりまで丁寧に進めることで、負担を和らげてあげることができます。
今回紹介したアイテムもぜひ取り入れながら、猫が安心して過ごせるよう、やさしく見守ってあげましょう。
新しい住まいでの日々が、猫にとっても飼い主にとっても心地よい毎日になりますように。
キャットランド(参照日:2025-11-8)
https://item.rakuten.co.jp/cat-land/529018/
カイゲンショップ(参照日:2025-11-8)
https://item.rakuten.co.jp/kaigen703/fyh-petbed-01/
ペット犬猫療法食動物病院(参照日:2025-11-8)
https://item.rakuten.co.jp/doubutsunotame/v007564feliwayliquid-11/
SIMPLE.楽天市場店(参照日:2025-11-8)
https://item.rakuten.co.jp/webstore-simple/compass1697639496/
著者情報
白井むぎ
2人の子供を育てながらwebライターのお仕事をしています。
小さな頃から犬や猫のいる生活を送ってきたため、毎日ペットとの触れ合いが欠かせません。
休日に子供を連れて動物園や牧場へ出かけるのも大好きです。





