動物のお医者さん
花とゆめコミックスから20年以上前に発表された「動物のお医者さん」は、日本にシベリアンハスキーブームを巻き起こしたとも言われる名作です。今もなお、多くの人の心に残り、愛蔵版も出版されるほどです。
この物語は、飼い主のハムテル(公輝)とシベリアンハスキーの女の子・チョビとの生活がコメディータッチに描かれているお話です。
チョビは作中では「般若」と呼ばれるほど怖い顔をしていますが、性格はとても温厚で優しい女の子。H大獣医学部の漆原教授によって飼い主のハムテルと出会います。そんな出会いから受験生だったハムテルは獣医を目指すこととなり、友達の二階堂とともにH大へ進学。
チョビはその優しい性格から、強烈な個性を持つ他の動物にいつもうまくやり込められてしまいます。その一面は飼い主にもあり、同じように苦労する飼い主とチョビの生活が面白く描かれていて、なんとも微笑ましいです。
獣医学部の様子も描かれており、他では見ることのできない世界に触れることができます。そして何より、たくさんの動物や個性的な登場人物により作中はいつも賑やかです。しかし、佐々木先生ならではのクールな言い回しなどから、ちょうど良い距離感が保たれてうるさすぎないのが魅力です。
クスッと口もとが緩みそうなユーモアや、感動的なシーンもあり、流れるように物語がすすんでいきます。こんな世界に身をおきたい!と思う人もいるのではないでしょうか。
この作品によって、シベリアンハスキーの魅力にとりつかれた人も多いと言います。また、物語の舞台となったH大獣医学部の、モデルになったとされる北海道大学獣医学部の受験率が跳ねあがった、という噂もあります。多くの人の心に残り、影響を与えたことに違いはありません。
星守る犬
「泣ける犬の漫画」として大ヒットを記録し、2011年には俳優の西田敏行さんが主演で実写化され、映画にも多くの人が足を運びました。
この漫画では、第一巻の冒頭で物語の結末が明らかにされています。
「【星守る犬】は犬が星を物欲しげに見続けている姿から、手に入らないものを求める人のことを表す。」の言葉から始まる物語は、犬と飼い主が何を求め生活していたのかを見届けるような気持ちで読み進めていくこととなります。
はじめから、切ない内容が飛び込んでくることは分かっているのに、それでも最後まで読んでしまいます。感動系の泣ける物語が苦手という人も、この物語からは温かさを感じることができるという意見が多いようです。
この物語に出てくる犬の名前はハッピー。捨て犬だったハッピーがある家族に引き取られ、しばらくは幸せの時を過ごします。しかし、次第に家族はバラバラとなり、残されたのはお父さんとハッピーだけ。家も家族もなくしたお父さんとハッピーは旅をはじめます。
この作品からは、誰よりも家族想いで家族が大好きな犬の様子が痛いほど伝わってきます。ある意味人間よりも人間らしい、こうありたいと思えるほどの一途な愛情をそそぐ姿は見る人の心を熱くするでしょう。
イズモがゆく。
とにかく元気なバーニーズ・マウンテンドッグのイズモと、親分のような柴ミックスのエドが著者の実家で過ごす様子を描いた物語です。
実話をもとに作られているため、犬とのリアルな生活の様子がそのまま描かれています。犬を飼ったことのある人ならピンとくるような描写が魅力的。もちろん犬を飼ったことのない人も、犬との生活を夢見ながら楽しむことができます。
この作品には「犬あるある」が満載です。なにかを訴えるような犬の表情やオーラのようなものは、犬と暮らした経験がある人なら分かるはず。他にも「あるある!」とついつい言ってしまいたくなるようなシーンが散りばめられていて、スイスイと読めてしまいます。
イズモとエドの実際の写真も掲載されており、より鮮明に漫画のひとこまが思い描かれて、いつのまにか飼い主になったような錯覚に陥るかもしれません。特別なことはないけれど、毎日が少し特別で、犬との生活がこんなに楽しいものなんだと思わされる作品です。
いぬばか。
とにかく犬について色々と知りたい人にぴったりの作品です。実際、ペット関連の道に進みたいという学生さんにも多く読まれているようです。
主人公はペットショップに勤める女の子。犬以外の動物はほぼ出てこないというほど、犬に焦点を当てた物語が続いていきます。全22巻に及ぶ大作で、主人公とともに犬に関する知識を深めながら読み進めることができます。
物語は、実家を飼い犬とともに飛び出した18歳の主人公が愛犬「るぱん」とともに上京し、ペットショップで働く日常を描いています。主人公には不思議な力があり、誰にも懐かなかった犬が懐いたり、見分けることが困難な犬の違いを見分けることができる、犬の排便のタイミングが分かるなど、その能力をかわれ雇われました。
作中では、本当にたくさんの種類の犬が登場します。ドッグショーやアジリティといった、犬の飼い主でも知らない人が多い世界のことにも触れられています。
最終巻には愛犬のるぱんが最期を迎えます。犬と暮らす上で絶対に知っておかなければならない最期の時もきちんと描写されており、読みごたえがあります。
しばたベーカリー
柴犬に見た目がそっくりな主人公・しばたさんが脱サラをしてパン屋さんをはじめる物語です。
あくまでも主人公やその家族は見た目が柴犬に似ているというだけで、これは人間の物語…なのですが、柴犬好きにはたまらない世界が広がっています。
犬と人間の感動的なドラマを期待する人には、ちょっと違うかもしれませんが、主人公の不器用さと周囲の人の関わりが面白くておすすめです。なんとなく、見た目だけでなく性格まで柴犬に似てる!?と、柴犬の飼い主さんなら思うことでしょう。
犬を描いた漫画はたくさん!もっと犬が好きになるはず
出典:https://www.shutterstock.com
ここでは、犬好きにおすすめの漫画を5作品ご紹介しました。感動作からクスッと笑えるコミカルな作品まで様々です。犬が描かれているだけで、とても穏やかな気持ちになったり、愛らしい気持ちになりますよね。
犬の素敵な部分がたくさん描かれた作品を通して、犬を飼ってみようかと思う方もいるかもしれません。他にもたくさん犬が登場する漫画はあるので、チェックしてみてはいかがでしょうか。
楽天Kobo電子書籍ストア (参照日:2021-03-01)
https://books.rakuten.co.jp/rk/99d2ab327599314eb784d759e79407a1/
https://books.rakuten.co.jp/rk/6e4832c8e2154aa4a033f07a3284018c/
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https://books.rakuten.co.jp/rk/a07e51d570c03354ad842b62fda45011/
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著者情報
こば
小さな頃から保護された犬や猫を迎えて生活。現在は黒猫の「ジジ」に翻弄されながら、発見と感動の毎日を送っています。
実体験を振り返りつつ、飼い主さんの役に立つような情報を分かりやすく記事にすることを目標にしています。