猫が威嚇をするときの特徴
猫の威嚇「ニャーン!」
そもそも威嚇とは、動物が自分の体を大きく見せることによって相手を脅かそうとする行動のことです。猫の場合は、その鳴き声や表情、ポーズはいつもとは一変するので、あたかも別の猫になったかのように見えることさえあります。
威嚇中の鳴き声は、牙を剥き出しつつ「フーッ」「シャー」とまるで蛇のようです。このように鳴くのは、猫が強い怒りとか恐れを感じているときなのです。猫同士が、一触即発の状態にあれば「ウウウ〜ッ」という低い唸り声を出すこともありますが、これもまた強烈な敵愾心の現れです。
甲高い声で「アオ~」と鳴き喚く場合は、怖れのあまりに猫がパニック状態になっているときです。
威嚇中の姿勢
頭を低く沈め、背中をまん丸に丸ませるようにします。そして、尻尾は根元から上に立て、先端が垂れるような「弓なりの形」になります。背中の毛を大きく逆立てるのは、まさしく自分の体を相手よりも大きく見せようとする典型的な行動です。
さらに、身体をまん丸に丸めることによって自分自身の身を守りながら、いつであっても相手に飛び掛かかることができるこのポーズこそは、「臨戦態勢にあるぞ!」という警告でもあります。
威嚇中の顔の特徴
耳にぐっと力を入れて、後ろや真横に倒すのには、強固な拒否あるいは怒りの気持ちがその中に込められています。そして、その気持ちが大きければ大きいほど、それだけ耳の反り具合も大きいものとなります。
瞳孔はカッと見開き、徐々に威嚇する相手に対して照準を合わせるかのように細められていきます。瞬きの回数は極度に減少し、大きく見開かれたまなこは、まるで今にも攻撃してきそうな切迫感さえ現れます。
猫が威嚇をする本当の理由は?
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猫の祖先は、もともと野生の中で単独行動をしていた動物であり、獲物を捕ったり眠ったりするための自分の縄張りを持ち、己の陣地への侵入者については、これを厳重な態度をもって追い払うことによって自身の生活スペースを守っていました。
人間によって部屋の中で飼育されている飼い猫による威嚇にも、いまなおその名残がかいま見て取れるのです。
次に、猫が威嚇する理由をいくつか見ていきます。
怒っているとき
自分のソーシャル・スペースが侵害されたり、相性の悪い猫と遭遇したりしたとき、猫は不快感を極度に露呈させ、威嚇行動にうつります。
さらに飼い主に対してさえも、餌や玩具を取り上げられたときや、無理やりにシャンプーをされたり、爪切りをされるといった猫が嫌な行為をされたときも怒りの表情を見せることがあります。
怒りがピークを超えると、次は噛みつくなどの攻撃へとエスカレートします。
攻撃しようとしているとき
頭を低くして、背中を丸めた威嚇の姿勢は「自分はこれからすぐにでも攻撃できるぞ」という臨戦態勢の現れなのです。猫同士の喧嘩は、威嚇によって決着が付かなかった場合には取っ組み合いに発展してしまいます。
威嚇する猫にちょっかいを出すことは、猫にとっては自分が「攻撃を仕掛けられた」というのも同然です。こうなると、飼い主さんが手痛い猫パンチを喰らってしまったとしても、決して文句は言えないのです。
警告しているとき
人一倍臆病な猫は、自分のテリトリーに侵入してきた猫や人間に対して、「これ以上近寄らないでください」「もう構わないでください」という警告の意味を込めて威嚇してくることもあります。
この警告を無視して執拗に構おうとしたならば、攻撃されてしまうか、猫に嫌われてしまう原因となるでしょう。
恐怖を抱いているとき
「シャー」や「カカーカッ」という声ではなくて、甲高く「アオ~」と鳴くときは、恐怖を抱いているというサインです。恐怖の対象に向けた威嚇をすることによって、自分自身の身を守ろうとしているのです。
この状態の猫はパニック状態に陥っている状態なので、思いもよらない行動に出てしまうことさえもあります。そっと場を離れて、猫の気持ちが落ち着くのをじっと待ちましょう。
具合が悪いとき
猫が体のどこかを怪我いて体調が悪くても、猫はそのことを飼い主に言葉で伝えることはできません。自分に体を触られようとしたときには、「今は、わたしは具合がよくないから触らないでください」という意味を込めて威嚇をしてくることがあります。
体のどこかをペロペロと何度も舐め、その部分を触ろうとしたときに猫が怒るのは、おそらくなんらかの痛みや不調を抱えているという可能が高いのです。
猫の様子を見守ってあげながら、もしも不調が続くようならば、その時は猫を動物病院に連れていき受診させてあげてください。その他に発情期など、ホルモンのバランスの変化によって攻撃的になることがあります。
飼い主に威嚇のポーズをしているときは?
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飼い主と一緒に遊んでいる最中、背中を丸めた威嚇のポーズをとる猫がいます。「猫を怒らせてしまったのだろうか」と驚き戸惑いますが、実はこれは、威嚇しているわけではなくていのです。
遊びながら一見して威嚇のような姿勢を見せるのは、やんちゃ盛りの小さな子猫によく見かけられる行動であります。背中を丸めながら斜め方向に走るのは、「もっと遊びましょう」と誘う仕草です。
猫の飼いさんたちの意見を聞くにつけ、遊び中に威嚇のポーズをとってしまう猫は意外と多いことに気づかされます。
本気の威嚇と遊び違い
「本気の威嚇」と「単なる遊び」は、いったいどのようにして分別すれば良いでしょうか。
頭を低くして背中をまん丸に丸めるポーズは一見すると似ていますが、その表情には怒りや緊張した様子は」ほとんど見られません。瞳は好奇心でキラキラと輝き、飼い主が遊んでくれるのをまさに今か今かと待っている様子さえ現れています。
また、通常の威嚇では低い唸り声や甲高い声をあげるものですが、単なる遊びのお誘いのときは、そのような鳴き声を出すことはありません。
この二つの違いは一目瞭然ですので、まず間違えることはほぼないといっていいでしょう。
もしも一緒に遊んでいる最中に威嚇のポーズをされたならば、猫が遊び足りていないサインです。部屋の中での追いかけっこといった、やや運動量が多い遊びに誘うことによって、猫もきっと満足してくれることでしょう。
威嚇は怒りや不安の現れ
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猫が威嚇してくるときに見られる特徴や、そこに込められた猫の心理状況について説明しました。威嚇の行動は、気持ちを読み取りにくいとされる猫の仕草の中でも、比較的分かりやすい「怒り」や「不安」の現れなのです。
下手に無用な怪我を負わないためにも、猫の気持ちを汲取ってあげてり、適切な対応をすることを心がけましょう。
著者情報
Hanaco
子育てをしながら、専業主婦ワーカーとしてお仕事をさせていただいております。以前はチワワを2匹飼っていました。
調べることや文章を考えることが好きで、自分の考えや経験などを活かせるようなお仕事をしたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。