犬の視力は悪いのか?夜はどのくらい見えている?

投げたフリスビーをキャッチする犬や、薄暗くなってから散歩している犬を見ていると、犬は視力がいいのだと思ってしまいますが、本当にそうなのでしょうか?夜の暗闇の中では、ちゃんと見えているのでしょうか? 2019年06月06日作成

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犬は視力が悪いのか?視野や色の識別は?

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犬は年齢に関係なく、視力が0.2~0.3くらいです。見えているのは、せいぜい1メートル先くらいまでで、はっきりと識別できるほど見えているわけではありません。
その代わりに、人間であれば180度くらいの視野ですが、犬は250度以上の広い視野をもっていると言われています。私たち人間なら振り返らないと見えない範囲まで見ることができるというわけです。
色の識別に関しては、少し前までは色盲と言われてきましたが、近年の研究で、青・黄色を見分けられる程度の色覚能力があることが分かってきています。ただ、赤色を識別することはできず、赤色はグレーに見えるという研究結果があります。このことから、同系色のものが重なってしまうと、いくら近くのものでも判別することが難しいようです。

犬は夜でも見えている

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人間ならば、メガネを必要とする視力なのですから、夜の散歩などの暗闇ではもっと見えないのでは?と心配になってしまいます。
しかし、その心配は犬の目の構造がどのようになっているかを知ることで解消します。犬の目には「タペタム層」という反射板のような役割をする細胞層があります。暗いところでも、このタペタム層に少ない光を反射させ、視神経に伝えることでものを見ることができるのです。この機能があるおかげで、夜でも活動ができるというわけです。犬の写真を撮った時に目が光ることがありますが、これはタペタム層に光が反射するためです。

犬の視力が悪くても生活ができるワケ

犬の視力の悪さを補っているのは、タペタム層だけではありません。ほかにも視力の悪さをカバーできる能力を持っています。それは、嗅覚・聴覚・動体視力です。

優れた嗅覚

犬の嗅覚は、人間の約1,000倍から1億倍と言われています。人間の体臭のもととなる脂肪酸の臭いに対しては、人間の100万倍以上の嗅覚を発揮するそうです。目で入ってくる情報ではなく、匂いで判断をしているのです。優れた嗅覚を活かして、警察犬・空港での荷物探知犬・ガン探知犬として活躍する犬はたくさんいますよね。

優れた聴覚

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犬の聴覚は人間の4倍といわれており、人間であれば20,000ヘルツ以下の音しか聴き取ることができませんが、犬は50,000ヘルツまでの音を聴き取ることができるようです。
また、音を集める機能については人間の16方向に対し、犬は32方向から集めることができます。しかも、その範囲は1キロ先までとかなりの広範囲にわたります。

優れた動体視力

犬の視力は悪いのですが、唯一優れている目の機能が「動体視力」です。動くものを追う能力は800メートル先まで、犬種によっては1キロ以上先まで認識するそうです。
そのせいか、動いているものを認識することを得意としますが、静止しているものの認識は苦手なようです。

日頃から愛犬の観察を

犬は視力が悪く、色の識別も苦手ですが、持ち合わせた嗅覚・聴覚・動体視力といった優れた機能があるため、それほど視力に頼らなくても日々の生活を安全に過ごせていることがお分かりいただけましたでしょうか?
病気や高齢のために目が見えなくなった犬が、以前と変わらず家の中を歩き回れるというのも、嗅覚、聴覚をうまく使って生活していることの証です。
ただ、いくら視力を補う機能があるとはいえ、犬にとって目は大切なものです。常日頃から犬の様子をよく観察し、飼い主側で異変に気づくことができるようにしておきましょう。また、異変に気づいたら、自己判断せずに早めに獣医さんに相談するようにしましょう。


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UCHINOCO編集部

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