1. 肥満が増えている!?
「体感的には、動物病院に来院する1〜2割ほどのペットが肥満や肥満予備軍」と話す上田先生。犬も猫も室内飼いが基本となっている現在、肥満は飼い主にとって大きな悩みとなっています。
「今は、おやつの種類も多く、ペットが可愛いからあげたくなっちゃうという飼い主も多いのではないでしょうか。しかし、あげすぎてしまうのは、問題です。その瞬間は、ペットたちも、おいしいものが食べられて喜ぶかもしれません。しかし、長い目で見ると、決して良いことではありません。肥満になると病気にかかる可能性も高まるので、その子のためになりません。飼い主は、嫌われる勇気を持って、その子の健康状態を整えてあげること。それが飼い主の役⽬で本当の優しさだと思います」(上田先生)
肥満にならないためには、子犬・子猫の時から体重管理をすることが大切です。子犬・子猫のうちは、よく動き、エネルギーもたくさん使うため、多少のカロリーオーバーでも太ることはありません。しかし、成犬・成猫になると、同じ量を食べているのに太ってしまうということがあります。
小さいうちはもらえたのに、急にもらえなくなるというのは、犬猫にとって辛いことです。自宅にきたときから、体重管理を意識し、太らないからといって必要以上にあげないようにしましょう。
2. 太りやすい犬猫の特徴は?
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飼い主が体重管理をきちんとしていれば、健康な⽝猫が肥満になることはありません。
しかし、やはり、太りやすい環境や状況もあります。
まず、避妊や去勢の⼿術後です。
「様々な見解があることですが、やはり、肥満や去勢の手術後には肥満になりやすい傾向があると思います。避妊去勢手術は、一つの臓器をとる手術です。そのため、その臓器にいっていた分の栄養が必要なくなり、余った分の栄養が脂肪になります。飼い主が意識して体重を管理しないと、太ってしまいがちです」(上田先生)
また、多頭飼いの場合も体重管理は難しいと言います。
「多頭飼いの場合、食事を一緒に摂るので、どの子がどれぐらい食べたのかを把握しづらいため、体重管理では苦労することもあります。多頭飼いをする場合は、こういったデメリットも理解した上で飼育するよう、当院では指導しています。また、猫は食事を小分けにして食べる子もいるので、特に食事の管理がしにくいといえます。多頭飼いではない場合でも、毎日、どのくらい食べているのかわからないという飼い主もいます。どれだけあげて、どれだけ食べたのかを把握しましょう」(上田先生)
3. 肥満を予防するには?
肥満は、食事やおやつを食べ過ぎたり、運動が足りないことが原因です。肥満になると、関節や手足の痛み、心臓や循環器の疾患など、様々な病気を引き起こす可能性が高くなってしまいます。ペットと長く一緒にいるためにも、飼い主が体重コントロールをしてあげましょう。
肥満を予防するには、飼い主が「意識する」ことが大切です。
肥満は、見たり触ったりすることで体型を評価する「ボディコンディションスコア」を使って判断します。体重だけでは一概に判断することはできません。しかし、定期的に体重を計ることで、「以前より痩せている」「以前より増えている」ことを確認することができます。
ペットのベスト体重は、犬猫や性別、品種によっても変わってきます。飼い主は、体重を定期的に計り、まずは、愛犬・愛猫のベスト体重を把握しましょう。
「その後も体重を記録し続けることで、飼い主は体重を意識し、コントロールすることができます。体重を確認しながら、ベストな食事量や運動量を見つけます。体重を計ることが、肥満の予防にもなります」(上田先生)
4. 効果的なダイエット法は?
気をつけていたつもりでも、肥満になってしまった犬猫は、病気を予防するためにも、ダイエットをして適正な体重に戻してあげる必要があります。とはいえ、犬猫がダイエットするのは思っている以上に大変です。どのような方法が効果的なのでしょうか。
「ペットは、一度太ってしまうと、運動をさせるのは難しくなります。犬猫たちも運動をしたがらなくなりますし、無理にさせると手足を痛める危険もあります。ですから、ダイエットするためには、食事を調整するのがベストだと思います。
最近はダイエットフードの品揃えも豊富になっています。まずは、食事量やおやつを少しずつ減らしてください。食事の管理ができて、そこに少しずつ適度な運動が加わればさらに管理はしやすくなります。
その時に気をつけたいのが、家族全員が『この子のためだ』という意識を共有し、みんなでダイエットすることです。犬猫のダイエットは、その子たちはもちろん我慢しなければいけないですが、飼い主たちも我慢しなくてはいけません。
ペットたちは、ご飯の量が減れば、『ちょうだい、ちょうだい』と訴えてきます。可哀想だと思って、家族の誰かがあげてしまえば、ダイエットは成功しません。減らした以上にあげてしまって、逆に太ってしまうというケースさえあります。
予防のために体重を計るのが良いとお伝えしましたが、体重を計るメリットは、ダイエット中に、目に見えて頑張りがわかるということもあります。やはり、数字で結果が出れば、飼い主たちも意識しやすいですし、結果につながれば頑張れます。また、体重を計ることで、少しずつフードを調整することができるため、体重管理もしやすくなります。
逆に、体重が減らないと、家族の誰かがこっそりと、おやつをあげているんではないかと疑ってしまうこともありますが、それでも、その子のために家族で話をし、思いを伝え合うというのは、そのご家族にとって良いことなのではないかなと思います」(上田先生)
本間獣医科医院 掛川中央病院
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分院長
上田 修平
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なし
【トリミング受付時間】
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UCHINOCO編集部
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