来客が苦手な猫のための安心空間づくりのポイントとは？

猫を飼っている飼い主さんのなかには、来客があると猫が部屋に隠れたり、高い場所へ逃げたりする様子を見たことがある人は多いのではないでしょうか？
猫はもともとテリトリーを持つ警戒心の高い動物であり、縄張りの中で生活や狩りをする習性があります。

テリトリーにはさまざまな種類がありますが、特に猫の人見知りと深く関係しているのが、猫にとってのパーソナルスペースにあたる「ホームテリトリー」です。
ホームテリトリーとはその猫が暮らす住宅や庭、ケージなどの範囲を指し、基本的に飼い主さんや他の同居猫以外と共有しません。
そのため来客時に知らない人が家に入ってくると、天敵や自身のテリトリーを脅かす対象としてみなすため、危害を加えられないように逃げたり隠れたりするんです。

なお、人見知りの度合いは猫の性格によって異なっているため、猫によっては人見知りをほとんどせず、来客時にも飼い主さんやお客さんに甘える子もいますよ。

人見知りしやすい猫にとって突然の来客はストレスの原因になるため、できるだけ安心して過ごせる工夫や空間づくりをしておくことが大切です。
ここからは、来客が苦手な猫が安心できる工夫・空間づくりのポイントを解説します。
自宅で手軽に実践できる方法ばかりですので、ぜひチェックしてみてください。

あらかじめ猫が一人で落ち着いて過ごせる専用スペースを作っておけば、突然の来客でも猫がすぐに逃げ込めるでしょう。
特に猫の聴力は人間の約3倍とされており、人間の耳では認識できない高い周波数の音も感知できます。
そのため、来客時にどれだけ話し声や足音を小さくしていても猫にとってはストレスになっていることがあります。
また、来客時や自宅でのイベント時にはいつもと違う雰囲気を察知して不安になってしまう子も多いため、部屋に逃げ場がないとストレスが溜まってしまいます。

そこでケージやキャットタワーなどを設置して、来客時でもいつも通り落ち着いて過ごせる部屋を用意してあげましょう。
猫専用の部屋を用意してあげることが望ましいですが、無理な場合は部屋にペットフェンスなどを立てて、テリトリーとなる猫用のスペースを確保するのもよいでしょう。

ケージやフェンスを使う場合はお気に入りのベッドや毛布、ハンモックなどを置いてあげると来客時も猫がリラックスして過ごしやすくなります。

ケージを使って猫が安心できる場所を作っている場合、来客時にはブランケットや布カバーなどで目隠ししておくこともポイントです。
もともと猫は、狩りなどで敵に見つからない狭い場所で待ち伏せする習性もあり、周りが囲まれた狭い場所にいると落ち着く傾向にある動物です。
特に人見知りが強い猫の場合、家族以外の知らない人の視線や気配に対して怖いと感じてしまうことも少なくありません。
大きめの布カバーでケージ全体を目隠ししてあげれば、外の様子を視覚的に見えなくできます。
お客さんの視線や気配といった、猫にとってストレスの原因になりうる外からの刺激をできるだけ軽減できるので、来客時も猫が安心して過ごしやすくなりますよ。

猫が好きなおやつなどを使って「来客時＝いいことがある」と認識させることでも、来客時のストレスを軽減できるでしょう。
来客時に猫が不安になりやすいのは、聞きなれない玄関チャイムの音に驚いたり、お客さんを侵入者や敵であると感じて警戒したりしているからです。
そこで、来客時にはおやつが食べられる・好きなおもちゃで遊べるというルーティンを定着させることで、来客時の雰囲気に慣れる可能性があります。

おやつやおもちゃを与えるタイミングは、玄関のチャイムが鳴ったときやお客さんが部屋に入ってくるときなどが一般的です。
一度するだけでは定着しないため、何度も繰り返しトレーニングを行いましょうね。

人見知りしない猫であれば、お客さんの手からおやつをあげてもらったり、おもちゃで一緒に遊んでもらったりすると、お客さんに対する警戒心をほぐすことができるでしょう。
なお、人見知りの度合いは猫によって差があるので、トレーニングは猫の性格に合わせて無理せずにゆっくり進めていってください。

突然知らない人が家へ来るのは、どうしても猫にとっては不安やストレスになるもの。
来客時にも、猫がいつも通り安心して過ごしてもらえるようにするためには、空間作りに使うグッズにこだわることも大切です。
ここからは、来客が苦手な猫のための空間づくりにおすすめのグッズを紹介します。

柔らかくふわふわな触り心地が魅力的な猫用ベッドです。
特にキューブ型・テント型は周囲が囲まれているので、来客時に不安になりやすい猫も落ち着いて過ごしやすいでしょう。
内部の座布団はなめらなかフランネル生地と、ふわふわなボア生地のリバーシブルデザインになっており、猫の好みに合わせて使い分けられますよ。

キューブ型はそのまま使うだけでなく、屋根を潰してオープンタイプのベッドとしても使えるので、通常時と来客時で使い方を変えられます。
テント型は座布団を抜くことでコンパクトに折りたためるから、使わないときにも収納場所に困りません。

ベッドや座布団が汚れても手洗いOKなので、常に清潔に保てますよ。

上海で人気のペットアウトドアブランドから登場した、ペット用テントです。
ドーム型のテントなので、来客時に猫が入ってもゆったりくつろげるでしょう。
テントの布は足元でしっかり固定されるので、猫が使っているときに外れる心配もありません。
布地は撥水加工が施されているので、室内での設置だけでなくテラスや庭に設置するのもよいでしょう。

温かみを感じるケーブル編みが可愛らしい猫用テントベッドです。
包み込むようなドーム型で、人見知りな猫もリラックスして過ごせるでしょう。
柔らかい中綿をたっぷり入れており、ふかふかとした寝心地を実現しています。
出入口の段差は低めに作られているので、足の悪い猫やシニア猫も使いやすいでしょう。

ベッドの背面にはコードホールも搭載。
猫用のホットカーペットなどを使うときには電源部分を隠せるので、猫がイタズラするのを防げますよ。

来客時におけるケージの目隠しに使えるケージ用カバーです。
ケージに被せて4か所のファスナーを閉じるだけで全面の目隠しできるので、必要に応じて一部分だけカバーを外して使うこともできますよ。
生地は丈夫なポリエステル製で、猫がイタズラをしても問題ありません。
使わない時には折りたたんでスリムに収納できるので、来客時にだけ設置できます。

猫は警戒心の強さから、突然の来客があるとストレスに感じたり不安になったりしてしまう子が少なくありません。
本記事で紹介した工夫やおすすめアイテムも活用しながら、猫が安心して過ごせる空間を整えてあげてくださいね。