冬のお出掛けにぴったりな犬用コートの選び方

ちょっと前までは少数派だった犬の服。「ファッションのために着せるのであれば、犬にとっては迷惑なのでは？」と思われる方もいるでしょう。「そもそも犬に服なんて必要ない」と考える方もいるかもしれませんね。

確かに、基本的には犬に服が絶対に必要というわけではありませんが、犬種によっては寒さに弱く冬の時期に体調を崩しやすい犬もいます。
犬種を問わず、シニア犬や子犬は体温調節が苦手なため、寒さから身を守る意味で服を着せた方がより良いケースもあるようです。

近年では、室内飼いの犬が非常に増えてきましたね。室内と屋外との気温差は、人間だけでなく犬にとっても負担になります。こうした気温差から体を守るためにも、服が役に立つこともあります。

具体的に、寒さに特に弱いとされる犬種の一例を見てみましょう。一般的に、寒さに弱いのはシングルコートという毛の構造をもつ犬です。トイプードルやチワワ、マルチーズ、イタリアン・グレーハウンドやミニチュア・ピンシャーなどが代表的です。

これらの中には、日本よりも寒い国で生まれた犬もいますが、だからといって寒さに強いわけではないようです。

ここで、シングルコートとダブルコートの違いについて簡単に解説します。
犬の体毛の生え方は犬種によって違います。まず、体の表面にある毛をオーバーコート(上毛)と呼び、その下に生える柔らかくて密集した毛のことをアンダーコート(下毛)と呼びます。

犬種によっては、このアンダーコートを持たない犬がいます。アンダーコートを持たず、オーバーコートだけ生えることを、シングルコートと呼びます。一方で、オーバーコートもアンダーコートも生えることをダブルコートと呼びます。

アンダーコートは防寒や防水の役割を果たしてくれるのですが、シングルコートの犬はそういった面で寒さに弱く、ダブルコートの犬よりも気温等に気を付けてあげる必要があるということです。

犬に服を着せてあげると、寒さ対策になることはこれまでに説明した通りです。その他にも、外出中のケガや虫刺されなどを防止できたり、人がたくさん集まる場所での被毛の舞い上がりを防ぐことができます。また、雨の日や雪の日などは濡れることや泥はねを防ぎ、体温が低下しにくくなります。

こうしたメリットもありますが、その一方でデメリットもあります。

例えば、慣れていない状態で無理矢理服を着せるとストレスになるのは言うまでもありません。
また、夏に熱のこもる服を着せると脱水症のリスクが高まりますし、服の脱着時には静電気が発生することもあります。

犬用のコートを探していると、ダウンジャケットやちゃんちゃんこ、ポンチョ、レインコート、パーカーなど防寒対策のできる服が中心となっているようです。普通の犬用服のカテゴリに属するケースもあり、その区別が難しいところですが、だいたいは防寒具という分類で分けられている傾向にあります。

人間であれば、下着にインナー、トップスを着てコートを羽織りますが、犬の場合は基本的には単体で着させます。
おしゃれにこだわる飼い主さんなら、パンツやスカートと合わせることもあります。寒さが厳しければ防寒性や蓄熱性の高いいわゆるコートのようなもの、室内で暖かい状態にあれば薄手の服といったように使い分けている飼い主さんが多いです。

犬用コートを選ぶ時には、以下のポイントに注意してみましょう。

・サイズは適切か
窮屈すぎても、ブカブカすぎても犬にとっては邪魔な存在となります。ストレスを与えないためにも、寸法をきちんと測った上で選びましょう。

・着脱のしやすさ
犬用の服は、マジックテープやボタンでとめるタイプと、頭からかぶって足を入れるタイプの2種類があります。服に慣れていない犬には、マジックテープでとめるタイプの方がストレスが少ないでしょう。

・洗濯しやすい素材かどうか
毎日の散歩で着用するなら、泥はねなどを速やかにきれいにできるよう、家庭での洗濯が可能なものがおすすめです。

それでは、冬の防寒にぴったりな犬用コートを4つ厳選してご紹介します。

小型犬から中型犬に最適なサイズ展開をしているダウン風ジャケットです。フードがついている点がかっこ良いですが、フードなしタイプのものもあります。足を通してお腹の部分でボタン止めするタイプなので着脱も簡単です。

着心地や耐久性、デザインなど様々な部分にこだわりの見える、高品質のダッフルコートです。見た目は人間のダッフルコートそのもの！とても可愛らしいですね。裏地には吸湿性・放湿性に優れ、静電気の起こりにくい素材が使われています。
着脱のしやすいワンタッチボタンで脱ぎ着もラクラクです。

雨の日のお散歩は、体温の低下を防いで必要以上に汚れにくくしてくれるレインコートがあれば飼い主さんにとっても便利です。
こちらは、大型犬に対応するレインポンチョで、フードをかぶれば頭から尻尾の付け根までを雨や汚れからしっかりとガードしてくれます。

SサイズからXXXLまで、小型犬～中型犬に適したサイズのチェック柄ガウンです。しっかりとした厚みがあり、内側は撥水素材のため必要に応じてリバーシブルで使用できるのでとても便利です。手足の短い犬でも問題なく着用できます。

今回は、犬の冬用コートは必要なのか、また選び方について、寒さに弱い犬種などの説明を交えながらご紹介しました。
デザイン性の高い犬用コートは豊富ですが、何よりも犬にとって動きやすいかどうか、しっかりと暖かいかどうか、着脱にストレスはないかなど、使い勝手が重要なポイントとなります。

寒さや気温差により体調を崩すことがないように、これまで服を着せたことのない飼い主さんも一度検討してみてはいかがでしょうか。