猫は加齢に伴い、餌を食べなくなることがあります。病気が原因の場合もありますが、多くは高齢になることで自然に食欲が落ちてくるからです。
そのまま放っておくと、栄養不足が心配ですね。餌を少しでも食べさせるための対策を、紹介しましょう。
老猫が餌を食べない原因には何がある?
代謝が落ちて必要エネルギー量も減る
高齢になった猫は、基礎代謝が落ちるため、必要とするエネルギー量が減ってきます。
若いときのようにカロリーその他を必要としないため、自然に食欲が落ちてきて、餌を食べなくなります。
老猫が餌を食べないのは、自然な老化の始まりといえるでしょう。
口内に異常が起きている
高齢になり、口内に何か異常が起きて、餌を食べにくいことも考えられます。老猫は歯周病を起こしている場合が多く、そのために餌を噛み砕けないという可能性もあります。
歯磨きの習慣がない猫は、歯周病の発症も疑いましょう。口内炎を起こして痛みを感じているという場合も。
食欲は落ちていない様子の老猫が、噛みにくそうにして餌を食べないときには、口の中をチェックしてみましょう。
鼻が利かず匂いが分からない
呼吸器に異常が起きた老猫に起こりがちですが、嗅覚が衰えてしまうことにより、匂いに刺激を受けず、餌を食べないことがあります。猫にとって食事は、味と同時に匂いも大切です。
好みの匂いにひかれて餌を認識し、口をつける習慣がある猫は、鼻が利かないことで食べない場合も。餌だけではなく、他の匂いに反応しているか、気をつけてみましょう。
うつむきの姿勢がつらくなってきた
老猫になり、体が思うように動かせなくなったことで、フードボウルに顔を伏せて食べる姿勢がつらくなっていることも、理由として考えられます。
老化が進むと、ただ座っていることも難しくなるので、ごく自然な動作が難しくなってしまいます。首を下に曲げて食べるという姿勢が、億劫になっている可能性があります。
餌を食べない老猫にはどう工夫すればいい?
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フードボウルを高めにする
立ったままで首を曲げ、うつむきの姿勢で食べることが難しくなった老猫には、フードボウルを高めにする工夫をしましょう。
脚付きのフードボウルや、乗せるための小テーブルタイプの台があります。猫が楽な姿勢で餌を食べられるようなグッズです。猫が不便に感じていることを理解してあげて、対応したグッズでサポートしてあげましょう。
口元まで運んで食べさせる
フードボウルから上手に食べられない、食欲がなくて口をつけない場合には、飼い主が介助して与えましょう。
手やスプーンを使って、猫の口元まで少しずつ運んで餌を与える方法です。食べやすい形状の餌を、口に入る量だけ、時間をかけて与えるようにしましょう。
温めて匂いを強める
餌の匂いが強いと、食欲が出る猫もいます。
餌を温める方法が、おすすめです。ドライフードも、レンジで軽く温めると、匂いが強まります。ぬるま湯をかける方法を使ってみてもよいでしょう。
フードの内容を見直してシニア用に
餌の内容をシニア用に切り替えてみましょう。
老猫になると、ウェットフードにしたほうが、食べやすい場合もあります。トッピングで工夫するのもいいですね。
一般フードが食べられなくなった老猫への対策は?
ドライとウェットがあるキャットフードですが、どちらも食べられなくなるほど老化が進んでしまった場合には、流動食が必要になってきます。
流動食を始めるときは、自己判断ではなく、まず医師に相談しましょう。老猫用の流動食は市販されていますが、家庭で作ることもできます。
ふやかしたドライフードをミキサーにかけて、ペースト状にすることで、流動食になります。栄養の加減を医師と相談し、適量のブドウ糖などを加えてみるのもいいでしょう。その猫に応じて、必要なカロリーを摂取することができます。
老猫の状態に応じて食事の工夫、介助の必要も
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老猫になると、身体機能の衰えに伴って、餌を食べないことがあります。老化が進んで介護が必要になると、ほとんど食べない猫も多くなります。
餌を食べられるように環境を整えて、食べやすいように工夫してあげましょう。それでも食べられない猫には、介助してやることが必要です。食べられない状態が続くと、老猫は衰弱が早まってしまうので、食事環境の工夫と介助で、シニア期を乗り切りましょう。
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UCHINOCO編集部
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