子猫を飼い始めた飼い主の皆さんはさまざまな初体験をしているかと思います。そんな初めて経験のなかでも特に気を使うのが「爪切り」ではないでしょうか。刃物を使いますし、何より猫ちゃんがとても嫌がりますよね。今回は、子猫が爪切りを嫌がる理由と、効果的な対処方法をご紹介します。
子猫が爪を切らないといけない理由
そもそも猫の爪は、定期的に爪研ぎをすることで「剥がれる」構造になっています。常にとがった新しい爪が現れ、それ以上伸びない仕組みになっているわけです。
では、爪研ぎをしていれば爪切りは必要ないのか、というと、そうでもありません。外に出る猫なら問題ないかもしれませんが、常に室内で飼う場合、飼い主や家族を引っかいたり、カーテンなどに引っかけて猫自身がケガをしたりする恐れがあります。特に子猫時代はやんちゃで家具なども傷つける可能性が高いので、やはり爪は切ってあげたほうがいいでしょう。
子猫はどうして爪切りを嫌がるの?
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子猫が爪切りを嫌がる理由はさまざまありますが、おもな理由が「肉球に触られるのが嫌」ということです。猫の肉球には多くの神経が通っており、これがセンサーの役割をして、歩く地面の状況を把握しています。ご存じの「猫パンチ」も、この肉球センサーで相手やものを探っている行動だと言われています。そのような肉球はとても敏感です。人間にとっては気持ちがいいため、つい触りたくなる場所ですが、ちょっとでも強く触れば、確実に嫌がられます。爪切りのときには爪を出すために必ず触るところなので、これが原因のひとつだと言えるでしょう。
また「大きい音が怖い」ということも原因として挙げられます。人間の10倍とも言われる猫の聴覚では、私達が普段気にしないような音にも敏感に反応します。特に猫の耳は高音域を聞き取る能力が高いので、爪を切るパチンッという音に対して必要以上に驚いてしまいます。しかもそれが自分の足で鳴るので、怖くなってしまうのも仕方ありません。理由が理解できればいいのでしょうが、爪切りは自然界には存在しない行為。嫌なことばかりおこる爪切りを拒否してしまう気持ちは納得できますよね。
最優先は「負荷をかけない」
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よく、暴れるからといって猫を強く押さえつけたり、洗濯ネットでくるんだりして拘束する人がいますが、これは猫にとってかなりのストレスです。何をされるかわからず不安でいっぱいのところを、力で押さえるなどするとますます怖くなってしまいます。できるだけ怖さを和らげてあげるために、リラックスできる環境を作りましょう。
後ろからやさしく抱えて好きな場所を撫でてあげたり、爪を切る前や最中に声をかけてあげたりするのが効果的です。これだけでも飼い主さんの愛情が伝わって、かなりリラックスできるでしょう。うとうとし始めればチャンスです。この状態での爪切りに慣れれば、恐怖心も少しは和らぎます。
ただ、リラックスしていても一息にすべての爪を切ろうとはせず、まずは1~2ヶ所程度を目標にしてください。子猫はそこまで長い時間じっとはしていられませんし、少しずつ怖さを感じるようになることもあります。もちろん、猫が嫌がったら深追いは禁物です。次の機会まで待ってあげましょう。
子猫のうちに慣れさせる!
爪切りをやるにあたって、もっとも重要なのは、猫を怖がらせないことです。とはいえ、猫のなかで一度ついてしまったイメージは、なかなか払拭できません。将来爪切り嫌いにならないためにも、子猫のときからできるだけ、爪切り関連のものに耐性をつけておくことが大切です。
たとえば肉球は、猫がリラックスしているときに少し触ってみましょう。嫌がらない程度に触って、慣れさせることで、爪切りのときにもおとなしいまま対応してくれるようになっていきます。
爪切りを子猫が見えるところに置いたり、爪に当てて怖いものではないことを教えたりするのも効果的です。
また爪切りをした後におやつを与えると、爪切りはご褒美がもらえる「仕方がないこと」と捉えて、それに対して文句は出なくなるでしょう。
爪はどこまで切るのが正解?
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猫の爪をよく見ると、グラデーションになっていて、根元部分がピンク色なのがわかりますよね。実はこのピンクの部分には、血管と神経が通っています。ですので当然、切ってしまうと出血しますし、相当な痛みを与えることになります。そうなると恐らく、2度と爪切りさせてくれなくなるでしょう。
爪を切る場所は、あくまでも先端の透明な部分。とがっているところを切る感覚で大丈夫です。真ん中辺りまでは切っても大丈夫ですが、子猫がじっとしている時間はそう長くありません。猫の爪は小さいので、ちょっと体をよじるだけでも、切る部分がずれて深爪してしまうこともあります。先端を切るように心がけることで、少々ずれてもピンクの部分を切ってしまう可能性を減らせます。
今回は、子猫が爪切りを嫌がる理由と対処法を紹介しました。ストレスを与えないためにも、手早く済ませることが大切です。ただし焦りすぎると、誤って子猫を傷つけることにもつながります。何よりも大切なのは、猫に対する愛情です。爪切りもコミュニケーションのひとつとして、やさしく接しながら、爪切りしてあげてくださいね。
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UCHINOCO編集部
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