人間が便秘をしたり下痢をしたりすることがあるように、猫も下痢をすることがあります。猫が下痢をする原因はさまざま。少しなら様子を見ても良いものから、早急に受診が必要なものまであるため、注意深くみてあげることが大切です。
今回は、猫が下痢になる原因や、病院受診が必要かどうかの目安、対処法についてご紹介します。
下痢ってどんな状態のことをいうの?
下痢って聞くと、柔らかい便をイメージする人が多いでしょう。実は、下痢にはいくつかの種類があります。
柔らかい便以外にも、便が頻繁に出る場合や便の量が多い場合は、下痢として扱われるため、知っておくと便利です。
水様便(水分が多く含まれている便)
液体に近いほどの下痢は、水様便といいます。一般的に、便のなかに含まれる水分の割合は80%。しかし、水様便になると、水分の占める割合が90%にまで及ぶこともあります。
軟便(やわらかい便)
水様便ほどシャバシャバの状態ではないにしても、柔らかい状態の便は軟便という下痢です。軟便は、とても柔らかく、形が崩れやすい点が特徴です。猫のトイレを掃除しようとした時に、持ち上げることができなかったり、便が固まりとしてスッキリとれない時には軟便のサインです。
血便・粘液便
便の中に血液が混じっていたり、粘液が混じっている状態のことをいいます。血便は、真っ赤な血液が混じっている場合と、便自体が黒っぽくなっている場合とがあります。真っ赤な血液が見られる時は大腸の異常が疑われ、真っ黒な便の時は小腸や胃の異常が疑われます。ゼリーに似た状態の粘液が混じっている時は、大腸の異常が疑われることが多いようです。
猫の下痢、すぐに受診した方が良い?
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いつもコロコロとした便なら、下痢を見たときに驚きますよね。猫の下痢の原因はさまざまで、なかには少し様子を見ても良い場合もあります。しかし、判断がつかない時は受診して獣医さんの判断を受けた方が無難です。
すぐに受診が必要な猫の下痢とは
猫が下痢をした場合、なかには早急に受診が必要なケースもあります。下痢に多量の血液が混じっているときや、脱水症状がみられる場合、中毒の可能性が考えられる場合は、すぐに受診することをおすすめします。
その他にも、下痢が激しかったり、続いたり、元気や食欲がなかったり、嘔吐を伴う場合、下痢のなかに虫がいるときなどは、受診をおすすめします。
こんな時は様子を見つつ受診の検討を
下痢をしても食欲や元気はいつも通りで問題ない、その他の異常がみられない時は、繰り返さない限りは様子を見ても大丈夫な場合もあります。
ただし、下痢が続かないかどうかや、その他の点でいつもと変わりがないかどうかは、注意深くみてあげましょう。
猫の下痢の原因として考えられること
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猫が下痢を起こす原因は、たくさんあります。主に考えられるのは、感染症やその他の病気、食事の内容、異物の誤食、ストレスの5つです。
感染症による下痢
ウイルスや細菌、寄生虫による感染症は、猫と暮らすうえでいつも気を付けておきたいポイントです。特に、野良猫をひきとった時や屋内外を自由に行き来する猫を飼っている場合、感染症のリスクに備える必要があります。
仔猫のうちは、感染症にかかりやすく、回虫やコクシジウムなどの寄生虫による感染、ウイルスによる感染はよくあります。仔猫をひきとった段階ですみやかに受診し、混合ワクチンをうってもらったり、寄生虫の駆除をする治療を受けましょう。
病気による下痢
感染症だけでなく、内臓のどこかに異常がある時にも下痢が起こる場合があります。特に、下痢が長く続くときには何らかの病気も疑われるため、早めに受診して原因の特定をしてもらうことが大切です。
食事の内容による下痢
消化不良やアレルギーによる下痢もありえます。たとえば、食べ過ぎや脂肪分の多い食事の際は、胃腸でうまく消化しきれずに下痢になってしまうことも。ごはんを変えた時に下痢が起こるのは、慣れない食事によって一時的に下痢になる場合と、アレルギーによるものが考えられます。ごはんを変えたとたん、下痢が続くようなら、アレルギーの疑いがあります。
異物の誤食
猫は、本来食べられないものを誤って口にしてしまうこともあります。紐やビニール、ボタンなど、遊び道具にもなりうるものの管理には注意しましょう。また、掃除をする際に使用するワックスや洗剤などをなめてしまった場合は中毒のおそれもあります。
ストレス
環境の変化などのストレスを感じると、下痢をしやすくなる猫もいます。お客さんが来たときや、新しくペットを迎えたとき、新居に引っ越したり模様替えをした時などに下痢をした場合はストレスも原因かもしれません。
猫の下痢の原因は多数!しっかりと観察しよう
猫が下痢を起こす原因は多数ありましたね。なかには、早期の治療が必要なケースもあるため、下痢をした時にはその状態や症状などをいつもより注意深くみてあげましょう。そして、迷ったときには受診が無難です。受診の際には、下痢の状態やその他の症状をきちんと伝えられるよう、日頃から猫の様子を観察しておくことも大切です。
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UCHINOCO編集部
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