柴犬は小型犬？中型犬？サイズと性格から見る魅力

年代を問わず高い人気を誇る「柴犬」ですが、そもそも柴犬とはどのような犬種なのでしょうか？
まずは、柴犬とはどんな犬種なのかについて、特徴や性格などを踏まえて解説します。

柴犬は、古くから日本で猟犬・番犬として活躍していた日本犬の一種です。
くるっと丸まった尻尾と立った耳が特徴で、筋肉質で運動好きなところがあります。
日本原産の犬種ではありますが、アメリカ映画版「ハチ公物語」の公開に伴う日本犬ブームやSNSにおける拡散などにより、近年は日本国内だけでなく世界中で「SHIBA」という名前で愛されています。

「柴犬」と一言で表しても実はさまざまな種類があり、日本の各地域に「地柴」と呼ばれる固有種があるんです。
一般的に知られている柴犬の多くが「信州柴」をルーツとしていますが、他にも天然記念物に指定されている「美濃柴」や「川上犬」、スリムな見た目と赤みがかった被毛が特徴の「山陰柴」などがあります。

ペットとして人気の柴犬ですが、元々猟犬や番犬として活躍していた犬種であるためか、勇敢で自立心が強い性格の子が多い傾向にあります。
飼い主さんや心を許した人へ甘えることもありますが、ベタベタ甘やかされるのは苦手としている子も多いため、他の犬種に比べるとドライに見えるかもしれません。

なお、頭が良くて忠誠心も強いことから、子犬の頃からしっかりしつけをしておくことで、他の人や動物とも問題なくコミュニケーションができるようになります。

甘やかされるのは苦手な柴犬ですが、ドライな雰囲気に反して表情豊かな一面があるのも人気の理由の一つです。
喜怒哀楽をしっかり表現する犬種であり、物事に対してしっかりリアクションしてくれる子が多い傾向があります。
特に目を細めたり大きく口を開けたりする柴犬のニコニコ笑顔や、リラックス中の飛行機耳などは多くの犬好きの心を掴んで離さない愛らしさがありますよ！
個体やシーンによって多彩な表情を見せてくれるため、柴犬との暮らしではカメラが離せないという飼い主さんも少なくありません。

犬は体格の大きさによって小型犬と中型犬、大型犬の3つに分類されます。
個体や性別にもよりますが、柴犬は体高が35～41cm、体重が7～11kg程度であることから一般的に「中型犬」に分類されることが多い傾向にあります。

しかし、柴犬の分類はカテゴリーや団体によって異なっており、場合によっては小型犬としても紹介されていることも。
特に日本犬というカテゴリーで見た場合は、秋田犬や甲斐犬などといった他の犬種が大柄であることから、日本犬の研究・普及を進める団体である日本犬保存会においては「唯一の小型犬種」と定義されています。

日本国内だけでなく世界中で愛されている柴犬ですが、一般的な柴犬だけでなく「豆柴」と呼ばれる小さな柴犬を見たことがある人も多いのではないでしょうか？
ここからは、一般的な柴犬と豆柴の違いについて解説します。

柴犬と豆柴の大きな違いが「体格」です。
柴犬の体高はオスの場合で38～41cm、メスの場合で35～38cm程度とされており、日本犬のなかでは小柄な方でも一般的な小型犬に比べるとかなり大きい傾向にあります。
体重はオスで10kg前後、メスで8kg前後です。
全体的に筋肉質な体格をしており、細身の体と面長な顔立ちが狼のような雰囲気があります。

対して豆柴のサイズ定義は団体やブリーダーによって多少異なりますが、オスであれば体高32cm前後、メスは体高30cmが一般的です。
体重はオスで6kg前後、メスなら4kg前後と「豆柴」の名前に違わない小柄な体格をしています。
一般的な柴犬をそのまま小さくしたような見た目ですが、顔立ちや体つきが丸みを帯びているのが特徴です。

柴犬と豆柴は、見た目以外にも「性格」の傾向も少し違っています。
柴犬は元々猟犬として活躍していた犬種であることから自立心が強く、頑固な一面があります。
忠誠心が強くて飼い主や家族に甘えることもありますが、ベタベタ甘やかされるのを嫌う子も少なくありません。
他の人や犬に対しては一定の距離を取る傾向にあり、柴犬が一定の距離を保つ様子は「柴距離」と呼ばれています。

対して豆柴の性格は、基本的には柴犬と似ていますが、比較的社交的な一面が強い傾向にあります。
人懐っこくて甘えん坊な子も多いため、一般的な柴犬に比べて愛犬と密接にコミュニケーションを取りたい人向けのワンちゃんといえるでしょう。

「犬種」は各種類のワンちゃんの血統を保存するうえで重要な情報の一つ。
実は柴犬は独立した犬種として各団体から公認されていますが、豆柴はKCジャパンのみで公認されている犬種です。
日本犬保存会・ジャパンケネルクラブ（JKC）などの団体では、豆柴は犬種として公認されていません。
そのため、JKCで発行される豆柴の血統書は「柴犬」と表記され、あくまで「小型の柴犬」という認識が強い傾向にあります。

見た目の可愛らしさとユーモアたっぷりな性格が人気の柴犬ですが、体格が大きな犬種であることから、実際に一緒に暮らす場合は飼育環境をしっかり整えておくことが大切ですよ！
ここからは、柴犬との暮らしに適した飼育環境の基本的な条件について解説します。

室内飼い・外飼いのどちらにおいても、柴犬を飼うときには犬のテリトリーを十分に確保できるようにしておくことが大切です。
柴犬はテリトリー意識が強い犬種であり、飼い主さんと過ごす場所とは別に、一人で落ち着けるスペースが必要です。
テリトリーとなるスペースがないと、人通りや音などが気になってストレスを感じてしまうことも。
そのため、愛犬の体格に合ったケージやベッド、犬用トイレなどを設置できるスペースを確保してあげてくださいね。

元々猟犬であったことから、柴犬は1日に必要な運動量が多いため、毎日十分な運動時間を確保できるようにしておきましょう。
特に室内飼いの場合は家具などを置いている都合上、柴犬が思い切り走り回れず、運動不足になりやすい傾向にあります。

個体・年齢にもよりますが、一般的に成犬の柴犬に必要な散歩量は1回30分程度で、1日2回程度が目安です。
距離に換算すると1日約4kmと、一般的な小型犬に比べると長時間かつ長距離の散歩になる傾向にあります。
そのため、毎日十分な散歩の時間を確保するとともに、運動量が足りない場合はドッグランなどで思い切り体を動かせるようにしてあげてください。

柴犬と一緒に暮らす場合は、毎日の抜け毛対策が必須です。
柴犬はダブルコートの被毛を持つことから、アンダーコートと呼ばれる綿のような柔らかい毛が定期的に生え変わる「換毛期」があります。
そのため抜け毛が多く、十分な対策をしておかないと部屋中が抜け毛だらけになることも。
そのため、毎日欠かさずブラッシングをするとともに、抜け毛の誤飲・誤食を防ぐためにも部屋に落ちている抜け毛の掃除をしておくことが大切です。

賃貸で柴犬を飼うことを考えている人であれば「中型犬OK」の物件かどうかチェックしておいてください。
近年はペット可能な物件が増えているものの、あくまで小型犬や小動物などを対象としていることが多く、体格が大きい中型犬・大型犬は対象外である傾向があります。

思わぬトラブルを防ぐためにも、実際に柴犬を飼う前には住んでいる賃貸の規約や契約書をあらかじめ確認し、不安な場合は大家さんや不動産業者へ相談してから決めてくださいね。

柴犬を室内飼いする場合、床が滑らないように対策をしておくことも重要です。
柴犬は体力が多くパワフルな犬種なので、室内でダッシュやジャンプをすることも少なくありません。
そのため床が滑りやすい状態だと、ダッシュやジャンプの際に足を痛めてしまう可能性があります。
自宅の床がフローリングなどの滑りやすい状態である場合は、カーペットやラグを敷くなどをして対策を立てておくことが大切です。

室内飼いの場合は、柴犬が過ごしやすい室温を保つことも欠かせません。
柴犬の被毛はダブルコートと呼ばれる二層構造になっており、寒さに強い反面暑さには弱い傾向があります。
そのため、部屋が暑すぎると体温調節が上手くいかずに熱中症のリスクが高くなります。

一般的に柴犬が快適に過ごせる室温は25～28度で、湿度は50～70％であることが望ましいとされています。
そのため、柴犬が過ごす部屋はエアコンや加湿器などを設置し、季節や時間帯などに合わせて適宜温度・湿度を調節できる環境を整えておきましょう。

柴犬や豆柴との快適な暮らしを始めるためには、毎日のお世話に使うグッズ選びも大切です！
ここからは柴犬・豆柴の飼育におすすめのお世話グッズを紹介します。
柴犬や豆柴との暮らしを考えている人は、ぜひチェックしてみてくださいね。

愛犬との毎日の散歩がより快適になるロングタイプのリードです。
リードを肩に掛けられるショルダーパーツが付いており、散歩中に両手を空けられるので、パワフルな柴犬の咄嗟の行動にもスムーズに対応できますよ。
もちろん、ショルダーパーツを取り外せば一般的なハンドル付きリードとしても使えるから、散歩のスタイルに合わせて使い分けられます。
リードのサイズはSとMの2種類があるので、柴犬と豆柴のどちらにも対応できます。

抜け毛が多い柴犬の毎日のお手入れに便利な中型犬用ブラシです。
短毛の犬種に合わせて作られたステンレススチール刃が、余計なアンダーコートや抜け毛をしっかり絡め取ります。
ブラシヘッドの両サイドに付いているエッジガードによって、刃が皮膚に直接当たらないようになっているため、ブラッシング中の皮膚への負担を軽減できます。
取り除いた抜け毛は、ブラシヘッド部分のボタンを押せば簡単に捨てられるから、ブラッシング後のブラシのお手入れも簡単ですよ！

人に比べて睡眠時間が長いワンちゃんのために作られた犬用マットレスです。
体圧分散性に優れたポケットコイルマットレスを採用しており、睡眠中の愛犬の血流が悪くなるのを防ぎ、快適な寝心地をサポートします。
ベッドカバーや敷パッドを併用することで、季節や愛犬の体調に合わせてベッド環境を整えられますよ。
幅は約95cm、奥行きが約65cmと、中型犬が寝られるほどのサイズ感なので柴犬や豆柴もゆったりくつろげるでしょう。

愛犬との外出がもっと快適になるペットキャリーです。
小型犬・中型犬の両方に対応しながら、公共交通機関への持ち込みもOKなので、愛犬と一緒の旅行にもおすすめです。
扉部分は通気性の高いメッシュ素材で、扉越しに中の様子がいつでもチェックできるだけでなく、愛犬が息苦しくならないように作られています。
オートマチックファスナーにより、愛犬の急な飛び出しを防げるのも嬉しいポイント。
オリジナルストッパー機能が搭載されていて、ボタンを押すまたはキャリバーを下げた場合、いずれのケースでもキャスターが止まるので、公共交通機関での利用時にも安心です。

散歩中などで抜けにくいように開発された犬用ハーネスです。
ベルト部分には漁業やアスレチックのロープなどにも使われる耐久性の高い素材を採用しているので、パワフルな柴犬にもおすすめです。
ベルト部分はサイズの微調整ができ、愛犬の体格に合わせて使えますよ。
ベルトには反射ラインが搭載されているから、暗い夜道での散歩も安心です。

愛らしい見た目と表情豊かな一面が人気の柴犬。
しかし一般的には中型犬に分類されることから、実際に一緒に暮らす際には飼育環境を十分に整える必要があります。
本記事で紹介した柴犬の特徴や飼育環境の条件なども参考にしながら、柴犬との暮らしを検討してみてくださいね。