そこが知りたい！雄犬が足を上げる理由はなに？

雄犬はおしっこをするときに、足を高く上げる仕草を見せます。中には雄犬でも、しゃがんで、おしっこをする場合もあるようです。それでも、ほとんどの雄犬が足を高く上げておしっこをしてしまいます。その理由はなに？とついつい考えてしまいます。そこには雄犬の習性というものがあるのです。

雄犬は自分が雄であることを周囲に知らせようとします。そのために、少しでも高い位置におしっこをすることが優位とされているのです。人間社会では、考えられないほどに深い理由がそこには存在するのです。

足を高く上げておしっこをするのは、自分だけのテリトリーを誇示するためだと言われいます。周りに雌犬がいるわけでもないのに、なぜ足をそんなに高く上げる必要があるの？と思う場合もありますよね。ただ、そこには雄犬としての習性が作用しているので、理性というよりも足を上げなくてはいられないという心情にもなっているわけです。

もっと簡単に説明をすれば、少しでも多く自分の存在感を示そうとしているのです。そのために足を高くあげて、おしっこをすることで示したいと考えているのです。この足上げおしっこは習性が関わっているので、なかなか抑制できるものではありません。

犬は元々きれい好きです。自分のおしっこで、体を汚すようなことは極力、避けたいと考えているのです。足を上げずにおしっこをするともしかすると、胴体までおしっこが不着するかも。そんな思いから足を上げて、おしっこを引っかけるように排せつしているのでは？という説もあるのです。

縄張り意識と衛星意識の両面を持ち合わせるというのは、犬にとっては当たり前のことであり、生まれながらに兼ね備えて居る習性ということになります。無理に、しゃがんで排尿をするように促すのは、なかなか酷なことなのです。

性ホルモンの流れで、どうしても足を上げておしっこをすることは辞められません。何とか自分の尿の匂いを付けたいという強い願望があるのです。それを飼い主の指示でどうにかしようというのは、無理難題ということになります。

人間としては壁が汚れる、見た目がとてもかわいくない、などという個人的な感情で足を上げておしっこをすることを阻止しようとします。ただ、それは不毛なことだと自覚しておいてください。去勢をしていない雄犬に対しては、飼い主の一存でコントロールできない問題でもあるのです。

マーキングの習性を何とか抑え込みたいという思いと、未去勢の雄犬がかかりやすい病気のリスクを避けたいという思いは多くの飼い主さんが持ち合わせているものです。だからこそ去勢手術を選ぶ人がとても多いのです。果たして去勢手術をしたあとに、足を上げずにおしっこができるようになるのでしょうか？これは実際には、未知数であると言わざるを得ません。

男性ホルモンの流れが変わったとしても、犬が会得している習性の方が上回っている場合には、残念ながら、足上げおしっこは収まらないのです。

去勢手術をした後でも、家庭環境が突然変化した場合や強いストレスを感じたときには、再び足を上げておしっこをするようになります。すべてを雄犬のせいにせずに、飼い主さんとしても犬の環境整備を心がけてあげてください。それが出来ていない状態で、去勢後も足を上げる雄犬を一方的に責めるのは、間違っています。

そもそも、雄犬が足を上げておしっこをすることは、当たり前の習性です。そこを捻じ曲げてまで、何とか足を上げさせないようにするのには、そもそも無理があるのです。そのあたりの兼ね合いを考えて無理のないように見守ってください。