ひょんなことから子猫を飼うことになったとき、もしくは子猫を拾ってミルクをあげる状況になったとき、戸惑う方もいらっしゃるはずです。てのひらに収まるほどの小ささゆえに、儚くて壊れそうでドキドキしてしまいますよね。
猫は、生後4〜8週齢ごろまでは、母猫の母乳を飲んで育ちます。しかし、なんらかの事情で母乳が飲めない状況にあれば、飼い主さんが代わりに授乳しなければなりません。
今回は、離乳前の子猫へのミルクのあげ方と、その注意点についてご伝授します。
ミルクのあげ方① 1回分の量は15~30mlを目安に
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離乳前の子猫の主食はミルクです。猫用のミルクには、子猫用、成猫用、栄養補完用などの種類がありますが、離乳前の子猫には、必ず子猫用を選びましょう。
離乳前の子猫には、基本的に「飲めるだけ」のミルクを与えて大丈夫ですが、生後1週で15~30mlくらい、生後2週からは30~60mlくらいがだいたいの目安です。
飲める量には個体差がありますが、すべての健康な子猫は、毎日必ず体重が増えますので、毎日体重を測定して、ちゃんと増えているかどうかの確認しましょう。
ミルクのあげ方② 授乳は2~3時間おきに
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生まれたばかりの子猫には、2~3時間おきの授乳が必要です。その後、1回に飲める量が増えてきたら、徐々に回数を減らしていきます。離乳直前になると1日の授乳は4~5回にまで減ります。
しかし、授乳2~3時間といっても、寝ているところを無理に起こしても、そんなに飲んでくれないことがほとんどです。お腹が空けば自分から起きてくるので、それまで待っても大丈夫です。
ただし、生後14日頃までは、8時間以上飲まないでいると「低血糖」を起こす心配があるので、1回あたりの授乳量が少なかった時などは、タイミングを見て授乳してください。
ミルクのあげ方③ 子猫の姿勢とスポイト
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子猫にミルクを飲ませる時は、まず哺乳瓶を使いましょう。飲ませる時は、猫を「伏せ」にした状態が適切な姿勢です。もし手足をばたつかせてうまく飲んでくれない時は、手やタオルで身体を覆ってあげたり、タオルを畳んで少し高さをつけ、子猫の手を置けるようにしてあげると、子猫が飲みやすくなります。
哺乳瓶に吸いつく力が弱かったり、吸いつけない場合は、シリンジやスポイトを使いましょう。数滴ずつ舌に垂らすようにして飲ませます。
哺乳瓶もシリンジもスポイトも、いずれもペットショップなどで販売しています。哺乳瓶は大きすぎるとミルクが早く冷めてしまうため、子猫専用のものを用意しましょう。
ミルクをあげる時の注意点① ミルクの選び方
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ミルクの選び方で、一番間違えていけないのは、必ず「子猫用」のミルクをあげることです。絶対に「人間用」のミルク、牛乳をあげてはいけません。
よく、漫画やドラマなどで、猫を拾うと牛乳をあげるシーンがありますが、あれは絶対にしてはいけない行為です。なぜなら、猫には人間の牛乳に含まれている糖分を分解する「ラクターゼ」という機能がありません。「乳糖不耐症」が原因となり、下痢を起こし、酷いと重症になるケースもあります。
日本人自体が「ラクターゼ」活性が低く、私もそうですが、牛乳を飲んで下痢になりやすい、という人はこれが原因である可能性が十分にあります。
人ですらこうですので、猫、ましてや子猫だと、特に危険を伴いますので、猫・子猫には絶対に専用のミルクをあげましょう。
母猫の母乳は高脂肪・高タンパクで、子猫に必要な栄養素がたっぷり含まれています。子猫用ミルクを選ぶ際は、母乳に近い成分のものを選びましょう。また、人工授乳期の猫は週齢や体重によって必要カロリーが変動するため、調整可能な粉ミルクがおすすめです。
ミルクをあげる時の注意点② 温度
最後に、ミルクの温度についてですが、これは母乳に近いといわれる「38度」くらいのお湯で作ります。温度が低すぎると体温が低下してしまいますし、熱すぎると飲むことができないだけでなく、口の中をやけどしてしまいます。
また、保護したばかりの子猫は消化力が弱っていることも考えられるため、最初はやや薄めに作り、徐々に規定の濃さ(パッケージ表示)にしていきましょう。そして、ミルクの作り置きはせずに、授乳のたびに新しく作りましょう。
子猫がミルクを飲まない時は?
子猫がミルクを飲まなくなる時は、慌てずにその理由を考えてみましょう。考えられる理由を挙げてみました。
・お腹がいっぱい
・健康状態に問題がある
・ミルクの味や哺乳瓶などが適していない
【お腹がいっぱい】
個体差によってミルクを飲む量は若干異なります。お腹がいっぱいであれば、当然飲まない時もありますので、まずはお腹の張り具合を見てみましょう。
お腹がパンパンに張っている時は、排泄がうまくできていないこともあります。おしっこと便が溜まっていれば、子猫はミルクを飲まないでしょう。排泄をチェックすることは子猫にとってとても大事ですので、ミルクをあげる前に排泄させてあげると良いでしょう。
【健康状態に問題がある】
食欲がない時は、どこか健康状態に問題があるのかもしれません。子猫はちょっとしたことで体調を崩してしまいます。特に、温度変化には弱いため、子猫にとって室温が暑過ぎたり、寒過ぎたりしないように室温管理をすることが必要です。
ミルクを飲まずに眠っている、ぐったりしている時、その他にも下痢や嘔吐などの症状がある場合は、すぐに動物病院に連れて行ってください。脱水症状を起こしている場合は、一刻を争うことも考えられます。
日頃から、授乳回数、授乳量、体重、体調の変化などを記録しておき、子猫の小さな変化に気付けるようにしておくと良いでしょう。
【ミルクの味や哺乳瓶などが適していない】
子猫がミルクを飲まない時は、味が気に入らないということも考えられます。子猫が好む味のミルクに変えてあげてみてください。また、哺乳瓶の乳首のサイズが合わないと飲んでくれないこともあります。その場合はスポイトにしてみるなど、ミルクの与え方を工夫してみると良いでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
猫たちと暮らす私でも、子猫にミルクを与える状況を想像すると、ちょっとドキドキします。自分の手にかかっているのかと思うと、その責任の重さを感じます。
しかし、私の周りにもたくさんいますが、ミルク時代から育て上げると、またそれは格別の可愛さがあるそうです。もし、私にもそんな機会が訪れたら、ひるまずに果敢に挑んでみたいと思います。
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UCHINOCO編集部
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